「貯金が500万円貯まったらもう十分?」
「貯金が500万円貯まったら投資すべき?」
と考えていませんか?
貯金が500万円貯まったらと思っていても、なかなか目標に届かずに苦労している方もいるでしょう。
また、500万円の貯金で何年暮らせるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- 500万円の貯金がある人の割合
- 500万円あれば何年暮らせるか
- 貯金500万円を作るポイント
この記事を読めば、500万円の貯金を作る方法や貯まった後どうすれば良いのかわかるようになります。新NISAの変更点も理解できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
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貯金が500万円ある人の割合は?
最初に貯金が500万円ある人の割合がどのくらいか把握しておきましょう。なお、単身世帯・2人以上の世帯に分けて、500万円の貯金がある人の割合を調べてみました。
単身世帯で500万円の貯金がある人の割合
金融広報中央委員会が発表した家計の金融行動に関する世論調査2022年[単身世帯調査]によると、単身世帯で500万円の金融資産(預貯金以外も含む)がある人の割合は以下の通りです。
金融資産 | 世帯数(無回答60世帯を合わせた割合) |
---|---|
0円 | 863世帯(34.5%) |
1万円〜400万円 | 747世帯(29.9%) |
400万円超〜500万円 | 65世帯(2.6%) |
500万円超〜1,000万円 | 234世帯(9.4%) |
1,000万円超〜1億円 | 511世帯(20.4%) |
1億円以上 | 20世帯(0.8%) |
この結果から、金融資産が500万円以上ある人は少なくとも765世帯、割合としては30.6%の人が該当することがわかります。
中央値を確認すると約100万円のため、500万円の金融資産がある人は単身世帯のなかでは資産を構築できているといえます。
次に、世帯主の年齢別に種類別金融商品保有額について調査したのが以下の表です。
金融資産保有世帯 | 金融資産を保有していない世帯 | |||
世帯主の年齢 | 金融資産保有額 | 預貯金 | 金融資産保有額 | 預貯金 |
全年齢 | 1,348万円 | 572万円 | 871万円 | 370万円 |
20歳代 | 307万円 | 152万円 | 176万円 | 87万円 |
30歳代 | 741万円 | 327万円 | 494万円 | 218万円 |
40歳代 | 1,045万円 | 398万円 | 657万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,775万円 | 634万円 | 1,048万円 | 374万円 |
60歳代 | 1,960万円 | 977万円 | 1,388万円 | 691万円 |
70歳代 | 2,008万円 | 799万円 | 1,433万円 | 570万円 |
金融資産を保有していない世帯とは、この調査においては「現在所有している金融商品の問いで、いずれも保有していないあるいは預貯金のみと回答」「現在の預貯金残高の問いで、運用または将来の備えがゼロと回答」した人を指します。
金融資産保有世帯では50歳代、金融資産非保有世帯では60歳代になると500万円以上の貯金を保有する人が増加するようです。
2人以上の世帯で500万円の貯金がある人の割合
ここからは、金融広報中央委員会が発表した家計の金融行動に関する世論調査2022年[2人以上世帯調査]の結果をもとに2人以上の世帯で500万円の貯金がある人の割合を見ていきましょう。
まず金融資産の割合から見ていきます。
金融資産 | 世帯数(無回答168世帯を合わせた割合) |
---|---|
0円 | 1,157世帯(23.1%) |
1万円〜400万円 | 1,240世帯(24.8%) |
400万円超〜500万円 | 162世帯(3.2%) |
500万円超〜1,000万円 | 663世帯(13.3%) |
1,000万円超〜1億円 | 1,541世帯(30.8%) |
1億円以上 | 69世帯(1.4%) |
2人以上の世帯で500万円以上の金融資産(預貯金を含む)を保有している人の割合は45.5%です。単身世帯が30.6%だったことを考えると、500万円以上の金融資産を保有している人は2人以上の世帯の方が多いことがわかります。
また、中央値も単身世帯よりも多く、400万円です。
次に、世帯主の年齢別に種類別金融商品保有額について調査したのが以下の表です。
金融資産保有世帯 | 金融資産を保有していない世帯 | |||
世帯主の年齢 | 金融資産保有額 | 預貯金 | 金融資産保有額 | 預貯金 |
全年齢 | 1,698万円 | 739万円 | 1,291万円 | 562万円 |
20歳代 | 339万円 | 191万円 | 214万円 | 121万円 |
30歳代 | 697万円 | 326万円 | 526万円 | 246万円 |
40歳代 | 1,132万円 | 489万円 | 825万円 | 356万円 |
50歳代 | 1,684万円 | 683万円 | 1,253万円 | 508万円 |
60歳代 | 2,317万円 | 1,062万円 | 1,819万円 | 834万円 |
70歳代 | 2,360万円 | 1,009万円 | 1,905万円 | 814万円 |
金融資産保有世帯・金融資産を保有していない世帯のどちらも、50歳代で500万円以上の預貯金がある人が増加します。また、預貯金自体を比べると金融資産保有世帯は49万円、金融資産を保有していない世帯は134万円も多く貯金できることがわかります。
このことから、500万円の預貯金ができるのは、概ね50歳代前後といえるでしょう。
500万円を貯めるのに必要な年数は?
何年あれば500万円が貯められるのか知りたい人は多いのではないでしょうか。
ここからは、預貯金が0の人で年収400万円の人と600万円の人を例に、500万円貯めるのにかかる年数を計算します。
なお、年間で貯蓄できる金額は各家庭の状況によって異なるので、収入のうち貯蓄に回す割合が10%と20%の例に分けて見ていきましょう。
年収400万円の人が500万円貯めるのに必要な年数
年収が400万円の人が500万円を貯めるのに必要な年数について解説します。貯蓄に回す割合が10%の場合、1年間で40万円の貯金ができます。
そのため、貯金がない人でも12年6ヵ月ほどで500万円を貯められるでしょう。
400万円×10%=40万円
500万円÷40万円=12.5年
一方、貯蓄に回す割合を20%に上げると、1年間で80万円の貯金ができます。500万円を貯めるまでに必要な期間は6年と3ヵ月です。
400万円×20%=80万円
500万円÷80万円=6.25年
また、既に貯金がある場合は、500万円を貯める期間をさらに短くできるでしょう。
例えば、200万円の貯金がある人が収入の20%を貯蓄に回した場合、3年と9ヵ月で500万円が貯まります。
(500万円-200万円)÷80万円=3.75年
いくらかでも貯金があれば、500万円を貯めるのは難しいことではありません。
年収600万円の人が500万円貯めるのに必要な年数
続いて年収600万円の人が500万円貯めるのに必要な年数を計算します。
貯蓄に回す割合が10%の場合、1年間で60万円の貯金ができるので、0からでも8年4ヵ月ほどで500万円を貯められるでしょう。
600万円×10%=60万円
500万円÷60万円=8.33年
一方、貯蓄に回す割合を20%に上げると、1年間で120万円の貯金ができます。500万円を貯めるまでに必要な期間は4年と2ヵ月前後に短縮可能です。
600万円×20%=120万円
500万円÷120万円=4.16年
また、既に200万円の貯金がある人が収入の20%を貯蓄に回した場合、2年と5ヵ月で500万円が貯まります。
(500万円-200万円)÷120万円=2.5年
年収が高いほど、500万円を貯めるのにかかる年数は短くなることがわかります。
貯金500万円で何年暮らせる?
500万円の貯金があると、老後に何年で使い切ることになるのでしょうか。
仮に老後の生活費が月10万円なら4年と2ヵ月、月5万円に抑えた場合でも8年4ヵ月もあれば使い切ってしまいます。
ただし、老後になると年金が支給されるので、現実的にはもう少し使い切るのに時間がかかります。
厚生労働省が発表している厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和3年度)のデータを元に、年金受給額を計算した上で500万円の貯金を何年で使い切るのか計算してみましょう。
なお、年金納付期間は40年、国民年金の受給額は以下の計算式により計算します。
79万5,000円(2023年度)×納付月数÷480ヵ月
40年納付している人の場合、年間に受給できる国民年金は79万5,000円です。
79万5,000円×480ヵ月÷480ヵ月=79万5,000円
次に厚生年金(老齢基礎年金)の受給額の計算式は以下の通りです。
2003年3月以前の報酬比例部分:平均標準報酬月額×7.125÷1,000×2003年3月までの加入月数
2003年4月以降の報酬比例部分:平均標準報酬月額×5.481÷1,000×2003年4月以降の加入月数
上の式を簡略化すると以下の式により簡単に概算できます。
年収×勤続年数×0.005481=報酬比例部分(予想)
40年働いた場合に、年収ごとに受給できる厚生年金と国民年金も合わせた年間の受給額を計算すると以下の通りです。
年収 | 年間に受給できる厚生年金(予想) | 国民年金と合計した受給額 (受給額が79万5,000円の場合) |
---|---|---|
300万円 | 65万7,720円 | 145万2,720円 |
400万円 | 87万6,960円 | 167万1,960円 |
500万円 | 109万6,200円 | 189万1,200円 |
次に総務省統計局の家計調査報告家計収支編2022年(令和4年)平均結果から毎月の生活費を計算してみましょう。
65歳以上の2人以上の世帯の消費支出と非消費支出の合計平均月額は27万1,525円のため、年間では325万8,300円です。
したがって、国民年金と厚生年金で足りない分は、500万円の貯金から切り崩す必要があります。
年収が300万円、400万円、500万円の場合に足りない老後資金は以下の通りです。
年収300万円の場合:325万8,300円-145万2,720円=180万5,580円
年収400万円の場合:325万8,300円-167万1,960円=158万6,340円
年収500万円の場合:325万8,300円-189万1,200円=136万7,100円
その上で、65歳500万円の貯金で何年分持つのか計算してみました。
年収300万円の場合:500万円÷180万5,580円=2.76年
年収400万円の場合:500万円÷158万6,340円=3.15年
年収500万円の場合:500万円÷136万7,100円=3.65年
500万円の貯金だけでは老後の生活費を賄うのは難しいといえます。したがって、さらに貯金するか、老後も資産運用を続けながら取り崩していくことをおすすめします。
500万円を貯金するためのポイント
現在貯金が多くない人が500万円を貯金するためには、いくつかポイントがあります。
- お金を貯める目的を明確にする
- 先取り貯金をする
- 節約するなら固定費の削減をする
- お金を貯めやすい時期は積極的に貯金する
それぞれのポイントについて順番に見ていきましょう。
1.お金を貯める目的を明確にする
お金を貯める目的を明確にしないと、貯めるのは難しくなります。なぜなら、漠然と500万円を貯めたいと考えるだけでは、達成するためのモチベーションが持たないことが多いからです。
子どもの教育資金やマイホーム購入の頭金にするといったように、目的があればいつまでにいくらお金を用意しなければならないかが把握できます。その結果、目的達成の手順も明確化されるので、500万円を貯められる可能性が高くなるでしょう。
2.先取り貯金をする
自分の意思で500万円を貯金しようとした場合、とてつもなく遠い目標と考える人もいるかもしれません。
そんな方は、先取り貯金をおすすめします。先取り貯金とは、給料日になったら決めた金額を先に貯蓄に回すことです。
現代では、銀行の積立定期預金や財形貯蓄制度を活用する方法があります。
財形貯蓄制度とは、金融機関などと契約して5年以上の期間にわたって、定期的に事業者が給与からの天引きを行う制度のことです。財形貯蓄制度により貯めたお金は、契約書記載の時期(60歳以降が一般的)から継続的に年金として受給します。
過去には、東京大学の教授で株式投資家でもある本多静六が先取り貯金で資産形成に成功した事例があります。
本多静六は、25歳から給与の4分の1を天引き貯金しました。40歳のときには、大学からもらう給料よりも貯金の利子と株式の配当の方が多くなり、60歳を迎えた頃には現在の価値で500億円の資産形成に成功しました。
このことからも、先取り貯蓄は多くのお金を貯金したい方に有効な方法です。
3.節約するなら固定費の削減をする
年収を上げるのが難しい場合は、節約をおすすめします。ただし、効果的に節約するためには、固定費の削減が必要です。
固定費とは、毎月変動しない支出のことです。スマートフォンの通信料、パソコンのプロバイダ代、家賃、保険料などがあります。一方で水道光熱費や食費といった毎月変動する支出は変動費と呼びます。
変動費よりも固定費を節約する方が、少ない労力で多くのお金を節約可能です。
私は生命保険の見直しをしましたが、保障内容が全く同じにもかかわらず、保険料を月5,340円も安くすることができました。保険会社によって保険料が違うために、節約に成功したのです。
4.お金を貯めやすい時期は積極的に貯金する
ライフステージによって、お金を貯めやすい時期とそうでない時期があります。
結婚資金や教育ローンの返済など出費がかさむ時期は、貯金に力を入れたくても難しいです。
貯金をするのであれば、そういった出費がかさまない時期に貯蓄額を増やしましょう。例えば、毎月給料から10%を貯金しているのであれば、20%に上げます。ボーナス月のみ貯蓄額を増やしても良いでしょう。
貯金だけでなく投資も検討しよう
500万円の貯金ができるタイミングは40代以降の方が大半です。500万円のお金が貯まったら、ほとんどの投資ができるようになります。
投資にはいろんな方法があるので、自分に合ったものを選ばなければなりません。
例えば、これから投資を始めるなら「NISA」を活用しましょう。
NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、投資信託や株式への投資で得た利益が非課税になる制度のことです。
500万円のうち、10年以上使わない分をNISAでの運用に回すことで、効率よくお金を増やせます。
2024年からは新しいNISAが始まるので、今までよりさらにお得に投資できるようになります。
項目 | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
---|---|---|
年間投資枠 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有期間 | 無期限化 | 無期限化 |
非課税保有限度額 | 1,200万円(つみたて投資枠と合わせて1,800万円) | 1,800万円 |
投資可能な銘柄 | 上場株式や投資信託など | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
ぜひ、この機会に新しいNISAでの投資を検討してみてください。
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