「米国債って本当に安全なの?」
「投資初心者でも米国債は大丈夫なのかな?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
米国債は世界で最も信用力の高い債券とされていますが、実は価格変動リスクや為替リスクなど、投資する際に注意すべきポイントがいくつかあります。
そこで本記事では、1級FP技能士の鬼塚が以下の内容について詳しく解説します。
- 米国債の基本的な仕組み
- 買ってはいけないと言われる理由
- 米国債投資のメリット
この記事を読めば、米国債投資について正しい理解を深められ、あなたに合っているかどうかの判断ができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。
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米国債とは?概要を解説

まず、米国債について理解を深めるために、基本的な概要から紹介します。
- 米国債とはアメリカ合衆国が発行する債券のこと
- 米国債の種類
それぞれ詳しく見ていきましょう。
● 米国債とはアメリカ合衆国が発行する債券のこと
米国債は、アメリカ合衆国が発行する債券です。
債券とは、国や地方公共団体・企業などが資金を調達するために発行する有価証券の一種です。投資家は債券を購入すると、利子や元本を受け取れます。
とくに、米国債は世界の債券市場において最大規模の発行高と売買高を誇るという点も特筆すべきポイントです。
また、金融危機や国際紛争が発生すると、米国債は「安全な避難先」として選ばれています。このように、米国債はグローバル金融市場における重要な指標としての役割を果たしています。
● 米国債の種類
債券には、大きく分けて利付債と割引債の2つがあります。それぞれのちがいは、以下のとおりです。
利付債 | 定期的(通常半年ごと)に利息が支払われ、満期時に額面金額で償還される債券 |
割引債 | 額面より低い価格で発行され、満期時に額面で償還される債券途中の利払いはなく、発行価格と額面の差額が利益となる |
米国債には、償還期間によってさまざまな種類があります。代表的な米国債券の年限と特徴を以下の表にまとめました。
米国債 | 年限 | 発行方式 |
---|---|---|
米国短期国債 (トレジャリービル) | 4週間の超短期から52週間まである | 割引債 |
米国中期国債 (トレジャリーノート) | 2年・3年・5年・7年・10年の5種類 | 利付債 |
米国長期国債 (トレジャリーボンド) | 20年・30年が中心 | 利付債 |
以上の債券のほかにも、物価変動率によって債券価格が変動する「米国物価連動国債」や市場金利の動きに連動して利子が変動する「変動利付国債」などがあります。

このように米国債は、投資家の多様なニーズに応える商品を取り揃えています。
米国債を買ってはいけないといわれる理由


米国債投資のリスクを理解するために、買ってはいけないといわれる理由について詳しく解説します。
- 価格変動のリスクがあるから
- 為替変動のリスクがあるから
- 株式と比較して利回りが低いから
米国債のリスクについて理解することは、正しい投資判断をするうえで非常に重要です。
1. 価格変動のリスクがあるから
米国債を買ってはいけないといわれる理由として、債券の価格が変動して損をするリスクがあることが挙げられるでしょう。
米国債は、満期まで保有すると額面で償還されます。しかし、途中で売却する場合は市場価格で取引されるため、購入時より価格が下落するリスクは避けられません。
債券価格に影響を与える要因として、金利の変動が挙げられます。金利が上昇すると債券価格は下がります。金利が変動する代表的な要因は、以下のとおりです。
要因 | 金利への影響 | 債券への影響 |
---|---|---|
雇用の増加 | 上昇 | 下落 |
物価上昇 | 上昇 | 下落 |
金融政策の変更 | 変動(政策による) | 変動 |
ここに挙げた要因だけでなく、GDP成長率の変化や世界情勢などの複数の原因が複雑に絡み合って金利は変動します。
米国債は、信用リスクの面では安全とされますが、価格変動のリスクがあることを押さえておきましょう。
2. 為替変動のリスクがあるから
米国債に投資する際は、為替変動についても考慮すべきです。
米国債を購入するために円からドルへ交換するときや、利子・満期時の元本を受け取る際に為替の影響を受けます。
損をしてしまうパターンとして、米国債を購入したあとに円高ドル安になるケースが挙げられます。



たとえば、1ドル150円のタイミングで米国債を購入して償還時に1ドル130円という円高に振れていた場合は、どうなるでしょうか?
為替の影響だけで、1ドルあたり20円も損をすることになります。
※債券の価格変動や利息収入・税金・手数料を考慮しない場合
為替レートは大きな変動を見せることもあり、市場金利の変動よりも大きくなるケースは珍しくありません。実際、2023年は1年間で円安方向に20円以上も動きました。
米国債の金利が高くても、それ以上の為替差損が発生すれば、結果的に損失となってしまいます。
そのため、為替リスクは米国債投資における懸念事項として挙げられるでしょう。
3. 株式と比較して利回りが低いから
米国債の利回りは、株式投資の期待リターンと比べて低い水準にとどまります。米国債の期待リターンは、以下のとおりです。
米国債 | 利回り |
---|---|
米国債 6ヶ月 | 4.24% |
米国債 2年 | 4.28% |
米国債 10年 | 4.67% |
米国債 30年 | 4.91% |
一方、米国株式(S&P500)は年率約10%のリターンを記録しました。このように、米国債は株式と比較するとリターンが低くなる傾向にあります。
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米国債を買ってはいけない?購入するメリット


米国債投資には、以下の4つの重要なメリットがあります。
- 日本国債より利回りが高い
- 信用がある
- 商品の選択肢が多い
- 換金しやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 日本国債より利回りが高い
米国債は、日本国債と比較すると利回りが高い傾向にあります。現在の米国債の利回りは、4%台の水準です。



たとえば、100万円で米国債を利回り4%で運用すると、年間4万円の収入が見込めます。
一方、日本国債の利回りは2025年1月時点で1.170%まで上昇したものの、それでも米国債と比較すると低いことがわかります。
100万円で日本国債を利回り1.17%で運用しても、年間11,700円の利益にしかなりません。
このように米国債は、利回りだけに注目すると日本国債と比較すると投資効率の高い金融商品といえます。
ただし、実際は為替リスクや金利変動リスクも考慮する必要があることを押さえておきましょう。
2. 信用がある
米国債は、世界で最も信用力の高い債券です。格付機関であるムーディーズやS&P・フィッチなどからは、高い水準の評価を獲得しており、日本国債の評価を上回っています。
格付機関 | 米国債 | 日本国債 |
---|---|---|
ムーディーズ | Aaa(最上位) | A1 |
S&P | AA+(最上位より一段階下) | A+ |
フィッチ | AA+(最上位より一段階下) | A |
世界各国の中央銀行は、外貨準備として米国債を保有しています。世界各国が米国債を保有している理由は、米ドルが基軸通貨であることに加えてアメリカの経済基盤が強固であるためです。
近年では政治的な混乱により一時的な不安定はみられるものの、世界最大の取引規模と換金のしやすさから、安全資産としての評価は変わりません。
このように米国債は、世界で最も信頼される金融商品としての地位を確立しています。
3. 商品の選択肢が多い
米国債は、投資家のニーズに合わせた多様な商品を提供しています。
短期の「トレジャリービル」は4週間から52週間までの期間があり、比較的自由に換金できるのが特徴です。
中期の「トレジャリーノート」は、2~10年までの選択肢があり、長期の「トレジャリーボンド」は、20年と30年の商品を用意しています。
インフレに強い「TIPS(物価連動国債)」や3ヶ月ごとに金利が変動する「FRN(変動利付債)」もあります。
このように米国債は、投資家のさまざまな運用ニーズに対応できる商品を揃えているといえるでしょう。
4. 換金しやすい
米国債に投資するメリットとして、換金しやすいことも挙げられます。米国債市場は世界最大規模の債券市場で、取引量が多いため売りたいときに売れるからです。
加えて、米国債の平均取引量は1日あたり約5,353億ドルの規模に達し、米国株式の約3,036億ドルを上回っているのも特筆すべきポイントです。
そのため、金利や為替の変動を見ながら、タイミングを選んで売却できます。このような特徴から、米国債は換金性の高い金融商品として評価されています。
米国債を買ってはいけない人の特徴


米国債投資を慎重に検討したほうがいい人の特徴は、どのようなタイプでしょうか?ここでは、米国債を買わないほうがいい人の特徴を紹介します。
- 短期間に高いリターンを求める人
- 為替リスクを取りたくない人
- 少額で投資を始めたい人
米国債投資を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 短期間に高いリターンを求める人
米国債投資は、短期的な利益を追求する投資家には向いていません。
市場金利が上昇すると、債券価格は下落します。現在の高金利環境でも、株式投資より期待リターンは低いといえるでしょう。
S&P500種株価指数の利回りは年率約10%であるのに対し、米国債の利回りは5%を下回る水準にとどまります。



米国債は、満期まで保有することで額面での償還を受けられる仕組みであるため、短期売買で利益を狙う手法には適しません。
以上のことから、米国債は短期的な高利回りを狙う投資手法とは相性が悪い商品といえます。
2. 為替リスクを取りたくない人
為替リスクを避けたい人は、米国債への投資には向いていません。
米国債の取引は米ドル建てで行われるため、為替変動の影響を受けるからです。為替変動の影響を受けるタイミングは、購入時や利子の受け取り時・満期時の元本返済時です。
為替レートは、数日で数円単位の大きな変動を見せることは珍しくなく、投資収益に大きな影響を与える恐れがあります。
為替リスクを避けたい方は、米国債を積極的に購入するのは避けたほうがよいでしょう。
3. 少額で投資を始めたい人
米国債に投資してまとまった利益を出すことを考えると、少額投資では難しい面があります。
米国債は、最低購入単位が100米ドルからであるため、1ドル150円のときは一口購入するのに約15,000円の資金が必要です。
投資信託の最低購入金額が100円であることと比較すると、初期投資額は大きいといえます。
たとえば、年利5%の米国債に100米ドル投資した場合、年間の利子収入は750円程度にとどまります(1ドル150円の場合)。
このように、少額投資では高金利のメリットを十分に活かしきれません。一方、100万円を米国債に投資すると、年間5万円の利子収入が期待でき、1000万円を投資すれば年間50万円の利子収入となります。
つまり、米国債はまとまった資金がないと効果的な運用が難しい投資商品といえるでしょう。
米国債についてよくある質問


米国債投資に関する疑問を解消するために、よくある質問について解説します。
- 米国債が元本割れする確率はどれくらい?
- 米国債はいつ買うのがベスト?
- 米国債を買うのにおすすめの証券会社は?
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 米国債が元本割れする確率はどれくらい?
米国債の信用力は極めて高い水準にあり、格付会社のムーディーズからは、最高評価のAaaの評価を得ています。
ムーディーズは、Aaaの評価を得ている債券において、10年後に債務不履行に陥る確率は0.01%としています。
ただし、満期前に売却する場合は元本割れのリスクがある点だけ注意しましょう。また、米国債はドル建てで購入するため為替変動の影響も考えなくてはいけません。
このように米国債は、満期まで保有するならドルベースで元本割れするリスクは極めて低いものの、途中売却や為替変動による影響は受けることを押さえておきましょう。
2. 米国債はいつ買うのがベスト?
米国債の購入タイミングは、金利動向と為替相場の2つに注目する必要があります。
金利面では、債券価格が下落する金利上昇局面で購入するのが有利です。この局面は、米国債を安く購入しやすいタイミングといえます。
2025年1月現在、米国10年国債の利回りは4.5%台の高水準を維持しており、この水準は投資を検討する好機です。
為替面では、円安に振れたときに為替差益を期待できるため、円高の時期が購入のチャンスです。



このように、米国債へ投資する際は金利や為替の変化を見極めましょう。
3. 米国債を買うのにおすすめの証券会社は?
米国債を購入するのにおすすめの証券会社は、主に以下の3社です。
証券会社 | 特徴 |
---|---|
SBI証券 | 業界最大手 70銘柄以上の商品を取り扱う |
楽天証券 | 楽天経済圏との連携が強く、取引でポイントが貯まる |
マネックス証券 | 米ドル建て債券を円で購入する場合の為替手数料が無料 |
各社とも外貨決済と円貨決済の選択が可能です。
取引時間は、日本の営業日に合わせて設定されています。証券会社を選択する際は、手数料の安さや取扱銘柄数の多さなどを比べてみましょう。
なお、証券会社の詳細については、以下の動画を参考にしてみてください。
米国債を買うならリスクを正しく理解しよう


米国債を購入する際は、価格変動や為替変動のリスクを正しく理解することが大切です。



しかし、リスクを恐れるあまり投資をあきらめてしまうのはもったいないです。
まずは、少額から始めて為替や金利の動きを見ながら徐々に投資を増やしていきましょう。そうすれば、リスクを抑えながら米国債投資のメリットを最大限に活用できます。
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