「投資信託はいくつに分散するべき?」
「投資信託のポートフォリオがわからない」
と考えていませんか?
投資信託で成績を安定させるためには、分散投資をする必要があります。
ただ、いくつに分散するのか、ポートフォリオの割合についてわからない人もいるのではないでしょうか?
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- 投資信託を分散する場合の種類
- 投資信託のポートフォリオ
- 分散投資の意味
この記事を読めば、投資信託をいくつに分散するべきなのか理解できるようになります。
ぜひ、参考にしてみてください。
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投資信託はいくつに分散するのが正解?
投資信託の資産対象には、以下のように多くの種類があります。
- 国内株
- 国内債券
- 先進国株
- 先進国債券
- 新興国株
- 新興国債券
- 国内リート
- 先進国リート
投資では分散投資が良いといわれており、実際に販売されている投資信託を見ると、3資産・4資産・6資産・8資産などがあります。このなかで特に推奨されるのは、4資産への投資で国内株・国内債券・海外株・海外債券へ分散するのが一般的でもあります。
国内株、国内債券、海外株、海外債券の4つに分けるのが定石
投資信託を4資産に分散する場合、国内株、国内債券、海外株、海外債券の4つが定石です。なぜなら、これら4資産への投資が利益と損失のバランスが良くなるからです。
以下の画像を見ればわかるように、株式と債券では値動きが大きく異なります。
大きな利益を得たいのであれば株式投資が良いですが、損失額が増えるリスクもあるため注意が必要です。しかし、株式とは異なる値動きをする債券にも投資をすることで、値動きを小さくできます。
ただし、値動きを小さく抑えようとする場合、債券と株式に分散するだけでは十分ではありません。
例えば、外国の株式(先進国株式)と債券のみに投資した場合、為替差益の影響を大きく受けてしまいます。そこで為替による損益の変動をなるべく抑えるために、国内と外国の両方の金融商品に投資するのです。
このように株式と債券、国内と海外という2つの方法で分散をすることで、値動きのリスクを軽減できます。
なお、ほかにも新興国株式・新興国債券・先進国REIT・国内REITを選べますが、以下のようなデメリットがあるのでおすすめできません。
国内REIT・外国(先進国REIT)のデメリット | 株式と同じように値動きが大きくなるリスクがある 価格変動リスクが高い |
新興国株式・新興国債券のデメリット | 先進国や国内の同じ商品よりも値動きが大きい 信託報酬が高い商品もある |
また、REITや新興国の投資商品を増やすと、価格変動リスクがさらに高くなる点にも注意が必要です。
資産をバランスよく配分する
分散投資をする際、資産の配分に偏りが出過ぎないようにしなければなりません。なぜなら、資産をバランス良く配分しなかった場合、分散投資のメリットを活かせなくなるからです。
例えば、以下のように株式が債券よりも明らかに多く配分されている場合はどうなるでしょうか?
- 国内株式に40%
- 先進国株式に40%
- 国内債券に10%
- 先進国債券に10%
この場合、世界的に好景気が続けば、成績が良くなります。しかし、世界的に不景気になった場合は株式への配分が偏りすぎているので、保有資産が大きく減少する可能性が高くなります。4資産に分散しても値動きのリスクが抑えられていないため、あまり良い分け方ではありません。
一方で、以下のように債券の割合が株式よりも多い場合はどうなるでしょうか?
- 国内債券に40%
- 先進国債券に40%
- 国内株式に10%
- 先進国株式に10%
債券の割合が大きいため、値動きの変動による影響は受けにくくなっています。しかし、債券は株式のように多くの利益を狙うのに向いている商品ではないので、投資額を増やしにくくなります。
どの資産をどのくらいの割合で配分するのかによって、損益や値動きの変動幅が変わるため注意が必要です。
4資産分散投資法が優秀な理由
投資信託で分散投資をするなら4資産分散投資法がおすすめです。
4資産分散投資法が優秀な理由について紹介します。
- 長期間投資した場合の運用成績が安定している
- 少ない労力で資産運用ができる
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
1.長期間投資した場合の運用成績が安定している
投資信託への投資において重要な点は、運用成績が安定しているかどうかです。
以下の図は、年金積立金管理運用独立行政法人が発表している2006年から2022年に主要4資産に投資した場合のリターン推移です。
この図を見ればわかる通り、主要4資産のいずれかに一括投資した場合、その時の相場環境によって成績が大きく変わります。
いつ・どの資産の成績が良いのか予測するのはかんたんではありません。
しかし、4資産分散のリターンの順位は2位から4位と、一度も最下位になっていません。
このように、4資産投資は長期間投資した場合の運用成績が安定する可能性が高くなります。
2.少ない労力で資産運用ができる
4資産分散投資は、少ない労力で資産運用ができる方法です。
その理由は、主要な4つの資産すべてに分散投資しているので、どの資産に投資すべきか深く考える必要がないからです。
以下のデータは、JBPRESSの発表した4資産に分散投資した場合の年率リターンです。
このデータによると、3年間または5年間継続投資した場合は、年率リターンがマイナスになる時期があります。しかし、10年間継続して投資した場合は、いつからはじめても年率リターンがプラスになっています。
このように4資産に分散投資をしておけば、どの銘柄の成績が良いのか分析しなくてもプラスのリターンを得られる可能性があります。
一方で、どの資産が良い成績を残すか分析し続ける場合は、日常生活との両立が難しくなります。
その結果、以下のような事態に陥りかねません。
- 家族の時間の減少による家庭環境が悪化
- 自炊や運動する時間の減少による健康の悪化
- ゆっくり入浴する時間がなくなりリラックス時間が減少
4資産分散投資法により投資にかける労力を少なくした方が、日常生活との両立がしやすくなるでしょう。
いくつかの投資信託に分散投資する際の注意点
いくつかの投資信託に分散投資する際は、いくつか注意点があります。
- 年1回ポートフォリオを見直す
- 分散したつもりになっていないか注意する
- 8資産均等型はおすすめできない
- 集中投資よりもリターンが減る可能性がある
それぞれの注意点を順番に見ていきましょう。
1.年1回ポートフォリオを見直す
いくつかの投資信託に分散する場合、保有資産の成績や経済状況を踏まえて、ポートフォリオを定期的に見直すのがベストです。分散投資をはじめた後、投資信託の成績により以下のように資産が変動するケースもあります。
資産 | 評価額 | 1年後の評価額 |
---|---|---|
国内株式 | 50万円 | 55万円 |
海外株式 | 50万円 | 60万円 |
国内債券 | 50万円 | 45万円 |
海外債券 | 50万円 | 50万円 |
上の例では、株式の評価額の割合が債券よりも増加しています。価格変動リスクの高い株式の割合が増加しているため、景気が悪化すると損失リスクが高くなるでしょう。しかし、株式の利益を債券にも配分しておけば、景気が悪化しても利益を残しやすくなります。
このように、資産の価格変動により当初の割合が崩れてしまったポートフォリオを元の状態に戻す作業をリバランスと呼びます。
4資産分散投資をするときは、年1回のペースでリバランスをしましょう。
2.分散したつもりになっていないか注意する
4資産に分散しても、値動きの大きい資産や特定の国の資産に偏りすぎると、分散投資の効果が減ってしまいます。
分散したつもりになっている場合、値動き次第で大きな損失を被るかもしれません。
「国内の資産だけでなく、海外の資産も入れる」「株式に加えて債券も入れる」「新興国の資産を入れる場合は先進国の資産も追加する」といったようにリスクを分散しましょう。
3.8資産均等型はおすすめできない
8資産(国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券、国内REIT、海外REIT)に12.5%ずつ均等に配分する投資信託についてはおすすめできません。
その理由は2つあります。
- 安全資産である国内債券・先進国債券の割合が全体の25%しかない
- 市場が小さい資産は値動きが大きい
安全資産の配分が少ない場合、値動きの大きい資産に多く投資することになるため、損失を被る可能性が高くなります。
また、新興国株式・国内REITのような規模の小さい市場と株式や債券など規模の大きい市場の配分が同じ点も問題です。
規模の小さい市場では、まとまった資金が投入された際に値動きが大きくなりやすいので、分散投資の効果が少なくなります。
さらに、均等型のため、相場環境に応じて配分を自由に変更できない点も値動きの影響が大きくなるリスクを高くしています。
4.集中投資よりもリターンが減る可能性がある
分散投資の目的は値動きの変動を抑えることで、損失リスクを減少することです。
したがって、1つの資産に集中投資するよりも得られるリターンが減る可能性があります。
とはいえ、ずっと同じ金融商品の成績が安定しているわけではありません。
長期投資であれば、いつ投資してもプラスになる可能性が高い分散投資を選びましょう。
投資信託に投資している人の傾向
ほかの人は、投資信託にどのように投資をしているのか気になるかもしれません。
そこで一般社団法人投資信託協会の「投資信託に関するアンケート調査報告書」をもとに投資信託に投資している人の傾向を解説します。
- 保有している投資信託の種類
- 投資信託の平均保有数は2.07種類
順番に見ていきましょう。
1.保有している投資信託の種類
投資信託に関するアンケート調査報告書で保有している投資信託の種類について触れており、以下の結果となっています。
回答者の半分近い人が外国株式投資信託、国内株式投資信託を保有しています。
外国株式投資信託はほぼ増加傾向にある一方で、国内株式投資信託は2019年から年々減少し続けています。
2.投資信託の平均保有数は2.07種類
2022年の投資信託の平均保有数は2.07種類です。直近3年を見ても、ほぼ変わらない水準で推移しています。
年 | 平均保有数 |
---|---|
2020年 | 2.17 |
2021年 | 2.09 |
2022年 | 2.07 |
先に説明した通り外国株式投資信託、国内株式投資信託を保有している人の割合が多いため、この組み合わせのみ投資している人が多いのかもしれません。
投資信託を分散する4つの方法
投資信託をいくつかに分散する際には、4つの方法があります。
- 銘柄
- 資産
- 地域
- 時間
分散効果を最大限活かすために、分散方法については必ず把握しておきましょう。
1.銘柄
銘柄による分散は、一番多くの人がイメージできる方法ではないでしょうか?
100万円ある場合、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に50万円、インバウンド関連日本株ファンド(ビジット・ジャパン)に50万円分散するような方法です。
投資する投資信託をいくつか分散することで、損失リスクを抑えられる可能性があります。
たとえば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とインバウンド関連日本株ファンド(ビジット・ジャパン)のリターン率が以下のケースで考えてみましょう。
銘柄 | 年間リターン率 |
---|---|
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | -10% |
インバウンド関連日本株ファンド(ビジット・ジャパン) | +10% |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に100万円を投資していた場合、1年で10万円の損失が発生します。
しかし、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とインバウンド関連日本株ファンド(ビジット・ジャパン)に50万円ずつ分散投資していた場合は、プラスマイナスゼロとなります。
このように銘柄を分散すると、ある銘柄の成績が悪くてもほかの銘柄の成績でカバーできる可能性があるのです。
2.資産
投資対象の資産によって、値動きや為替差損益が変わります。
たとえば、国内株式投資信託の値動きは大きいですが、外国債券投資信託は株式投資信託ほど値動きが大きくありません。
値動きの大きい投資信託のみに投資すると、損失額が増える可能性があります。
しかしほかの債券や国内株式投資信託のなかでも値動きの小さい銘柄と分散すれば、値動き幅を抑えられるでしょう。
3.地域
投資信託には国内だけでなく海外の商品もあります。そして、海外は「先進国と新興国」「オセアニアとヨーロッパ」といったように地域別の分け方が可能です。
海外の投資信託も組み合わせる場合、特定の地域のみに集中して投資をすると、政治的要因や災害などにより損失が大きくなるリスクがあります。
例えば「新興国の株式や債券」「国内の株式・債券」のみに投資する方法では、分散投資の効果が減少します。しかし、地域を分散させることで、片方の投資信託で発生した損失を別の地域の商品でカバーしやすくなるでしょう。
投資信託に投資するときは、地域毎に分散するのがおすすめです。
4.時間
投資で利益を得るには適切なタイミングで投資しなければなりません。しかし、いつの時点が割安あるいは割高だったかは、後からでないとわからないケースがほとんどです。
したがって、成績を安定させたい場合は、一括投資をするのではなく複数回に分けて投資をしましょう。
時間を分散すれば、割高なタイミングで投資をしても、成績へ与える影響を少なくできます。
投資信託はいくつかに分散するのがおすすめ!
投資信託はいくつかに分散するのをおすすめします。
分散投資をすれば、価格の変動により発生する損失額を抑えやすくなります。
地域・銘柄・資産などにより分散をした上で、ポートフォリオの比率を定期的に見直せば、初心者でも成績を安定化できるのです。
なお、どの投資信託がおすすめなのかわからない人も多いでしょう。
私鬼塚のLINEに登録をしていただくと、初心者が買うべき投資信託4選などの特典を受け取ることができます。
これから投資信託で分散投資をはじめてみたい人は、ぜひ無料で登録してみてください。
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