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    iDeCoとNISAはどっちを選ぶべき? それぞれの特徴や併用するメリット

    「iDeCoとNISAはどっちを選ぶべきかわからない」
    「両方の制度のメリットを知っておきたい」

    と考えていませんか?

    iDecoとNISAはどちらも税制の優遇を受けられる制度です。ただし、投資額の上限や銘柄などの違いがあるため、両制度の違いについて知ったうえで選ばなければなりません。

    この記事では、以下の内容について詳しく解説します。

    • iDeCoとNISAの比較
    • iDeCoとNISAをそれぞれおすすめする人

    この記事を読めば、ご自身がどっちの制度を利用して投資をすれば良いのかで悩むことは少なくなるでしょう。

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    目次

    iDeCoとNISAはどっちが良い? それぞれの特徴を比較

    iDeCoとNISAはどっちが良いか悩んでいる方は、まず両制度の特徴を比較してみましょう。

    ▼iDeCoと新しいNISA制度の比較

    項目iDeCo成長投資枠つみたて投資枠
    加入資格や投資可能期間・日本に住む20歳以上65歳未満の方および配偶者
    ・国民年金に任意加入している海外居住の方
    18歳以上の方18歳以上の方
    投資対象商品投資信託 債券、保険、定期預金上場株式、投資信託など金融庁選定の投資信託
    投資枠の上限長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託※金融庁への届け出が必要年間14.4万円〜81.6万円年間240万円
    (限度額はつみたて投資枠と合わせて1,800万円、ただし成長投資枠のみは1,200万円まで)
    年間120万円
    (限度額は成長投資枠と合わせて1,800万円)
    節税できる範囲・掛金が全額所得控除
    ・利息および運用益が非課税
    ・受取時も控除が適用される
    分配金、配当金、譲渡益等が非課税分配金、配当金、譲渡益等が非課税
    途中での引き出し不可可能可能

    このように両制度にはさまざまな違いがあります。ここからは、各制度について詳しく解説します。

    1.加入資格や投資可能期間

    iDeCoの加入資格がある人は、日本に住む20歳〜65歳未満の方です。自営業、会社員や公務員とその配偶者が加入できます。

    また、海外居住者についても国民年金に加入している方であれば、iDeCoへの加入が可能です。

    一方、新しいNISAの成長投資枠とつみたて投資枠については、日本に住む18歳以上の方であれば加入ができます。

    したがって学生であっても加入ができ、1月1日が誕生日の方は18歳になった日から、それ以外の日が誕生日の方は翌年の1月1日から加入できるようになります。そしてiDeCoとは異なり、加入年齢に上限が設けられていません。

    2.投資対象の商品

    iDecoと新しいNISAでは投資可能な商品が異なります。

    その中でも新しいNISAにおいて、成長投資枠とつみたて投資枠で投資可能な商品が以下のように分かれています。

    ▼新しいNISAの投資可能な商品

    成長投資枠で投資可能な商品株、投資信託、ETF、REITなど
    つみたて投資枠で投資可能な商品投資信託

    さらに以下の商品については、成長投資枠の対象外です。

    • 株式・投資信託・ETFのうち整理・管理銘柄
    • 投資信託は、信託期間が無期限もしくは20年以上あり高レバレッジ型等・毎月分配型商品

    つみたて投資枠では、金融庁が選定した長期の積立・分散投資に適した投資信託のみが対象となるので、取引コストを抑えられます。ただし、成長投資枠に比べると銘柄の数は多くありません。

    またiDecoの対象商品は、元本確保型の商品と投資信託の2つに分けられます。

    3.投資枠の上限および運用期間

    iDecoの投資枠の上限は、職業および年金の種類によって異なっています。

    ▼iDeCoの拠出限度額

    加入者拠出限度額
    自営業者や任意加入被保険者など月額6.8万円(年81.6万円)
    (国民年金基金または国民年金付加保険料との合算)
    会社員で会社に企業年金がない月額2.3万円(年27.6万円)
    会社員で企業型DCのみに加入している月額2.0万円
    (企業型DCの限度額である月額5.5万円の範囲内)
    会社員でDBと企業型DCに加入している月額1.2万円
    (企業型DCの限度額である月額2.75万円の範囲内)
    会社員でDBのみに加入している月額1.2万円(年14.4万円)
    公務員月額1.2万円(年14.4万円)
    専業主婦(専業主夫も含む)月額2.3万円(年27.6万円)

    iDeCoへの投資を検討している場合は、自分がどの枠に該当するのか把握しておかなければなりません。会社員で企業型DCやDBに加入している場合、それらの拠出額の範囲内で限度額が決められています。

    企業型DCやDBとは

    企業型DCとは、企業型確定拠出年金のことです。企業側が毎月積立を行い、従業員が資産運用を行います。DBとは、確定給付企業年金のことで、会社が拠出・運用・管理・給付まで責任を負う企業年金制度です。

    またiDeCoへ加入可能な期間は65歳になるまでです。

    新しいNISAの場合、成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円まで投資できます。

    新しいNISAでは2023年までのNISAとは異なり、併用ができるようになりました。したがって、両方合わせた限度額は1,800万円になります。ただし、成長投資枠で投資可能な金額は1,200万円となっているので注意が必要です。

    新しいNISAについては、どちらの枠も非課税期間は無期限となったため、いつ売却しても課税されません。退職した後も運用を続けられます。

    4.節税できる範囲


    ここからはiDeCoと新しいNISAの節税できる範囲について詳しく見ていきましょう。iDeCoでは、以下の節税メリットがあります。

    • 掛金の全額所得控除
    • 利息・運用益が非課税
    • 受け取り時も一定額まで税制優遇

    利益を受け取ったときはもちろん、お金を拠出したときも節税ができる点は魅力的です。

    一方、新しいNISAでは、以下の利益が非課税です。

    • 成長投資枠は分配金、配当金、譲渡益等が非課税
    • つみたて投資枠は分配金、譲渡益等が非課税

    どちらの制度を利用した場合も節税できる範囲は広いといえるでしょう。

    5.途中での引き出し

    運用期間中に急遽お金が必要になることがあります。

    iDeCoは年金目的で運用するため、受取開始年齢が60歳以降75歳までとなっており、原則60歳まで引き出しができません。通算加入期間によって、受取可能な年齢が変わります。

    ▼iDeCoの受取可能年齢

    通算加入期間受取が可能になる年齢
    10年以上満60歳以降
    8年以上10年未満満61歳以降
    6年以上8年未満満62歳以降
    4年以上6年未満満63歳以降
    2年以上4年未満満64歳以降
    1年以上2年未満満65歳以降

    したがって、満60歳になってからすぐに受け取りたい方は、満50歳までにはiDeCoへ加入しておく必要があります。例外的に以下の3つの条件を満たせば中途解約は可能ですが、控除を受けられなくなるので注意が必要です。

    • 一定の条件を満たした上で脱退一時金として受け取る
    • 加入者が高度障害を負った
    • 加入者が死亡した

    ただし、途中で支払いが難しくなった場合に拠出を一時停止したり掛金を減額したりすることは可能です。

    一方新しいNISAでは、​​成長投資枠・つみたて投資枠のどちらに投資をしている場合でも、途中で引き出せます。

    長期の積立投資をする際に毎月の支払いができるのかわからない場合は、新しいNISAを選ぶのが無難な選択です。

    iDeCoをおすすめする人

    iDeCoでの運用は以下の人におすすめです。

    • 貯金や安定した収入がある人
    • 家計管理が苦手な人
    • お給料から引かれる住民税を減らしたい人

    なぜおすすめなのか詳しく解説します。

    1.貯金や安定した収入がある人

    iDeCoは60歳まで引き出しができないため、貯金に余裕がある人や収入が安定している人におすすめです。

    なぜなら、不測の事態があったときに、収入が安定していない人や貯金の少ない人だと、生活が困窮してしまうからです。

    また、iDeCoでは掛金が全額所得控除の対象となります。掛金が多いほど年末調整や確定申告で所得税や住民税の節税ができるようになります。

    2.家計管理が苦手な人


    iDeCoは60歳まで引き出しができませんが、逆に考えると確実に老後資金を貯められるとも言えます。

    「貯金をするのが苦手」「家計簿をつけていなくて毎月の支出を把握できていない」といった家計管理が苦手な人でも、老後に備えて強制的に資産形成ができます。

    3.お給料から引かれる住民税を減らしたい人

    iDeCoでは、積み立てたお金が増えたときだけでなく、掛金を積み立てたとき、60歳以降にお金を受け取るときにも節税効果があります。

    例えば、年間27.6万円の掛金を積み立てたときは、その全額が所得から引かれるので、所得税や住民税を抑えられるのです。

    また、60歳以降に受け取る方法によって控除が適用されるので、所得が減ります。

    ▼iDeCoの利益の受け取り方法

    受け取り方法控除特徴
    一時金として受け取る退職所得控除他の所得よりも税負担が軽くなる方法
    年金として受け取る公的年金等控除年間110万円以下なら課税されない

    その結果、所得税はもちろん住民税も減らすことができます。

    成長投資枠をおすすめする人

    以下に該当する人は、新しいNISAの成長投資枠での運用をおすすめします。

    • 一括投資ができるお金を持っている人
    • 個別株に投資したい人
    • 多くの選択肢から投資する商品を選びたい人

    順番に詳しく解説します。

    1.一括投資ができるお金を持っている人

    成長投資枠は、年間240万円の運用が可能なため、一括投資ができるくらい貯金がある人や収入が多い人におすすめです。

    成長投資枠の限度額は1,200万円のため、毎年240万円ずつ一括投資すると最短5年で枠が埋まります。多くの金額を投資できれば、得られる利益を増やせる可能性があります。

    積立投資も選べるので、毎月20万円ずつ運用をしても問題ありません。

    2.個別株に投資したい人

    成長投資枠は、つみたて投資枠やiDeCoとは異なり個別株の運用も可能です。個別株は上手く投資すれば短期間で多くの利益を狙える可能性があります。権利確定日の2日前までに株式を保有していれば、株主優待がもらえます。

    権利確定日とは

    権利確定日とは、株主がとしての権利を得られる確定日のことです。権利確定日に株式を保有していれば、優待品や配当金、株主総会への参加権利などを得られます。

    投資をしたい個別株がある場合や株主優待にも興味がある場合は、成長投資枠を利用しましょう。

    3.多くの選択肢から投資する商品を選びたい人

    成長投資枠では、つみたて投資枠やiDeCoよりも多くの選択肢から好きな銘柄を選べます。各商品および制度の対象商品は金融機関によって異なり、SBI証券を例に解説すると以下の通りです。

    ▼iDeCoと新しいNISAの銘柄の数

    制度取り扱い銘柄
    iDeCo83本
    成長投資枠国内株式4,000銘柄以上、外国株式5,400本以上、投資信託2,638本
    つみたて投資枠193本
    出典:SBI証券 ※2023年10月27日時点

    数千本以上の銘柄から選びたい人には、成長投資枠での運用をおすすめします。

    つみたて投資枠をおすすめする人

    以下のような人は、つみたて投資枠をおすすめします。

    • 長期間の資産形成をしたい人
    • 投資商品の選定に不安がある人

    おすすめする理由について詳しく見ていきましょう。

    1.長期間の資産形成をしたい人


    つみたて投資枠は、iDeCo同様、長期間の資産形成に向いています。成長投資枠も同様に積立投資はできますし、非課税期間も無期限ですが、つみたて投資枠の方が非課税になる限度額が600万円も多いです。

    また、ドルコスト平均法により値動きによる変動リスクを抑えられる可能性があります。

    ドルコスト平均法とは

    ドルコスト平均法とは、価格が高いときは購入量を増やし、価格が低いときは購入量を少なくすることで購入価格を平準化する運用方法のことです。


    投資信託をドルコスト平均法で毎月1万円ずつ買う場合と基準価額にかかわらず2口ずつ購入する場合で1口あたりの平均購入単価を比較すると以下の通りです。

    ▼ドルコスト平均法を使った場合とそうでない場合の平均購入単価

    項目ドルコスト平均法の場合毎月2口ずつ購入する場合
    1ヶ月目の価格が5,000円の場合2口購入
    (5,000円×2口)
    2口購入
    (5,000円×2口)
    2ヶ月目の価格が2,500円の場合4口購入
    (2,500円×4口)
    2口購入
    (2,500円×2口)
    3ヶ月目の価格が10,000円の場合1口のみ購入
    (10,000円×1口)
    2口購入
    (10,000円×2口)
    平均購入単価4,285円5,000円

    ※投資信託の価格が短期間でここまで大きく動くケースはありません。

    ドルコスト平均法を使う場合は、基準価額が値下がりしたときは多く購入していますが、値上がりしたときは購入量を抑えています。こうすることで平均購入単価を抑えられるので、長期的に運用すれば、より利益を得やすくなるでしょう。

    2.投資商品の選定に不安がある人

    つみたて投資枠は投資商品の選定に不安がある人であっても投資がしやすいのが特徴です。なぜなら、金融庁が選定した低コストで長期投資に向いている商品のみに投資できるからです。手数料が高い商品は取り除かれているため、安心して取引しやすいでしょう。

    つみたて投資枠なら銘柄の数も多くないので、銘柄選びで悩む心配はありません。

    資金に余裕があるならどっちかではなくNISAとの併用も検討しよう


    資金に余裕があるならiDeCoとNISAの併用をおすすめします。iDeCoには以下の3つのメリットがあるので、年末調整や確定申告で所得税と住民税がお得になります。

    • 掛金が全額所得控除
    • 利息と運用益が非課税
    • 受取時も一定額まで税制が優遇される

    しかし、iDeCoは60歳まで引き出しができないので、NISAと併用することで急な出費に対応できるようにしましょう。

    株式や債券に投資をしたいなら成長投資枠、初心者で銘柄選びが苦手な方は、金融庁の選定した銘柄のみに投資可能なつみたて投資枠をおすすめします。

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