「つみたてNISAってよく聞くけど、どんな制度なんだろう?」
「どれくらい儲かるのかな?」
「実際にどれくらい増えるの?」
そのようなお悩みに答えていきます。
つみたてNISAを利用して投資を始めたい、という方の中に相場の値動きが怖くて、利益確定タイミングに頭を悩ませている方は多いでしょう。正直、投資初心者の方が「利益確定」を見極めるのは難しいといえます。
そこで本記事では、一級ファイナンシャル・プランニング技能士の鬼塚が以下のテーマについて詳しく解説していきます。
- つみたてNISAの利益確定の3つのタイミング
- 利益確定で大事な5つの考え方
- 資金を増やすための複利の力とは
ぜひ、最後までお読みください!
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利益確定に迷う?つみたてNISAとは
2024年の新NISAが始まるにあたり運用益の非課税保有期間が無期限となります。今から投資を始めようとする方は、利益確定のタイミングに頭を悩ませていることでしょう。
頭の中を整理するためにも、一度つみたてNISAの概要をみていきましょう。
つみたてNISA(~2023年) | 新NISA(2024年~) | |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
投資可能期間 | 2023年のみ | 恒久化 |
非課税保有期間 | 20年 | 無期限 |
年間投資枠 | 40万円 | ・つみたて投資枠(投信など)120万円 ・成長投資枠(投信なども可)240万円 ・合計360万円 |
非課税となる最大投資枠 | 800万円 | ・つみたて投資枠(投信など)600万円 ・成長投資枠(投信なども可)1,200万円 ・合計1800万円 |
一般NISA(2024年からは成長投資枠)との併用 | 不可 | 可 |
売却後の非課税枠 | 再利用不可 | 元本ベースで翌年に生涯投資枠が復活 |
つみたてNISAは「長期・積立・分散」でリスクを抑えながら着実な資産形成ができるように国民に優遇された制度です。
つまり資産を長期で積み立てながら運用益をさらに再投資して資金を増やしていくので、利益確定は10年後や20年後に考えれば良いと言えるでしょう。
つみたてNISAの利益確定の3つのタイミング
つみたてNISAで投資信託を運用したとき、利益確定をしても良いタイミングについては以下の3つです。
- 含み益があって急にお金が必要なとき
- 10年以上の運用を継続して目標金額が貯まったとき
- 20年以上運用して老後2000万円貯まったとき
利益確定は難しいですが、この記事を参考に人生の目的を叶えるための資金を準備していきましょう。
1.含み益があって急にお金が必要なとき
つみたてNISAは、急な出費でお金が必要なときに投資信託を現金化しても運用益に対して税金がかからないのがメリットの一つです。しっかり資金計画を立てても、以下のように急な出費が発生することはあるでしょう。
- 結婚
- 出産
- 育児
- 住宅購入
- マイカー購入
投資をする目的はただ資金を増やすためだけでなくて、ライフイベントに合わせて気持ち良くお金を使うために備えるためでもあります。
どうしてもお金が必要なときは投資資金を現金化して、今の生活を満たすことを優先しても良いでしょう。投資信託を途中で換金する際にかかる費用である信託財産留保額もインデックスファンドでは、1%以下の銘柄が多い傾向があります。
投資をする目的は生活を豊かにすることなので、使うべきタイミングで利益を確定するのは正しい判断と言えるでしょう。
2.10年以上の運用を継続して目標金額が貯まったとき
投資信託に10年以上長期運用を続けると、含み損を抱えている可能性は低い傾向があります。
さらにしっかり分散投資を行えば、平均年利6%が期待できます。ただしリスク抑えた投資をしても、相場にブレ幅が生じるので、目標金額までの到達に計画よりも遅くなったり、早くなったりすることがあります。
投資の運用成績が良くて、すでに目標金額が貯まっているなら、人生の目的にお金が使った方が良いでしょう。お金を増やすことだけが人生の目的ではないはずです。増えたお金で欲しい物を買ったり必要なサービスを利用したかったりするときに、利益確定するのも一つの選択肢と言えるでしょう。
3.20年以上運用をして老後2000万円貯まったとき
老後のための生活資金を貯めたい、と思ってつみたてNISAで資産形成する方もいるでしょう。目標額として設定するとき老後2000万円を基準にしやすいのではないでしょうか。
2019年6月に発表された「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」 をきっかけに「老後2,000万円問題」が世間で注目されました。
ただし総務省で公表されている2017年「家計調査」では夫婦2人がモデルケースとなっているので、独身の方の不足が毎月5万円よりも少ない金額で済む可能性があります。
リスクを抑えた投資信託の投資で20年以上も継続できているのなら、資金が着実に積み上がっている可能性が高いでしょう。
少額で取り崩しながら残った資金で運用を続ければ、長生きのリスクに備えられます。
投資信託で運用すると平均年利6%が期待できると言われているので、4%を目安に毎月利確して現金化すれば資金の目減りをおさえられるでしょう。
もう迷わない!つみたてNISAの利益確定で大事な5つの考え方
投資信託に投資をするとチャートの変動に伴って、損を確定したい、利益を確定したい、のように感情がブレて正常な判断ができないこともあるでしょう。
利益確定で迷わない5つの大事な考え方は、以下のとおりです。
- お金が必要なときに売却する
- 必要以上のリターンを期待して深追いしない
- 暴落に備えるために目標額を26%上乗せする
- リバランスでリスクを抑える
- 自分年金を自動化させる
ぜひこの記事を参考に、10年後、20年後に頑張って積み立てた資金を使うための計画を立てていきましょう。
1.お金が必要なときに売却する
2024年からスタートする新NISAは非課税期間が無期限になるので、自分で売却するタイミングを考えなくてはならなくなり、利益確定に悩む方は多くなる傾向があります。投資の本質的な目的はお金を増やすことではないので、自分のライフイベントに応じて売却して現金化すると良いでしょう。
ただし、売却しようと思ったときに含み損を抱えていると、損失が確定してしまうので注意です。
投資信託は10年以上保有するとリスクが低くなる傾向があるので、10年以内に必要な金額は預貯金によけておくと安心です。特に投資をするときは、以下のようにプランを立てることが重要です。
- 何のために
- いくら
- いつ必要?
人生は何が起こるかわからないので、有事の際に現金化できるのは投資信託の強みですが、一時的な感情で目的に反しないように、計画的にNISA口座から現金化しましょう。
2.必要以上のリターンを期待して深追いしない
目標の資産額に到達したのにもかかわらず、より多くのリターンを求めて利益確定を先延ばしするのはおすすめできません。
たしかに長期で運用するほど投資のパフォーマンスが期待できることもあるものの、投資自体が目的になってしまい自分の人生の目的が達成できなくなくなることも。シミュレーションツールなどで試算すると、投資のルールを決めやすいので積極的に使っていきましょう。
ただしリスクを抑えた方法で投資信託に投資をすると、年平均6%のリターンが期待できると言われていますが、相場の変動の影響で売却時期によって上ブレして、例えば年利7%になることも考えられます。
投資の利回りが向上すると、目標金額に到達する期間が短くなるので、脳の構造上「もっと増えるのではないか?」という欲が出てくるのは、仕方のないことです。
人間は欲に負けやすい生き物なので、自分のメンタルが正常に保てていないときこそ、理性で判断することが大切です。自分の感情に支配されないためにも「投資をする目的」と「目標金額」は、紙に書いていつでも見られるようにしておくと良いでしょう。
利益確定に役立つ投資のメンタルをコントロールする方法についてもっと詳しく知りたい、という方は私の動画をあわせてご覧ください。
3.暴落に備えるために目標額を26%上乗せする
投資にリスクはつきもので、大きな暴落に備える必要があります。相場が悪いときでも人生の目的を達成できるように、目標金額に26%上乗せすると良いでしょう。
100年に一度の金融危機といわれているリーマンショック。株式のみに集中投資していた人は約60%資金が減ったというデータがあります。
残念ながら人気のある以下の3つの銘柄
- S&P500(米国株式)
- 全世界株式
- 先進国株式
に分散投資している人は「株式」に銘柄を集中させてしまっているので注意です。
4つの資産(国内株式、国内債券、海外株式、海外債券)に分散投資すると35%まで下落が抑えられ、リバランス(資産配分の比率を戻す)をすると、26%まで下落が抑えられます。以下の図をみていきましょう。
過去のデータから見ても、26%くらい上乗せしておくと安心。
リスクを抑えた着実な資産形成のための運用をすれば、下落が起きたとしても26%なので、目標金額に26%加えてシミュレーションツールを使ってあらかじめ試算しておくと、慌てることはないでしょう。
暴落をプラン入れておくと、目標金額と人生の目的を達成しやすいのでおすすめです。
4.リバランスでリスクを抑える
つみたてNISAを利用して投資信託で運用するとき、10年以上長期投資を続けるとリスクが抑えられます。
基本的に投資信託を保有することによる10年以内の含み益、含み損は気にする必要はなく、利益確定は考えなくても良いですが、1年に1回はリバランスのために利益確定をすることをおすすめします。
投資を開始してしばらくすると分散投資の比率がズレるため元の比率に戻すこと。
リスクを抑えるために重要な考え方の1つが分散投資です。たとえば「株式」や「債券」「国内」や「海外」の投資信託の銘柄を同時に保有することを言います。
分散投資をすると最初25%ずつ投資していたとしても、国内株式35%、国内債券15%、海外株式40%、海外債券10%のように比率が変わってしまうことがあります。元の比率の25%ずつに戻すには、比率の高い国内株式10%分、海外株式15%分の投資信託銘柄を利益確定して、国内債券10%分、海外債券15%分の投資信託銘柄を購入します。
つまりリバランスによる利益確定は投資信託のリターン年利6%を平均化するために必要な作業として、頭に入れておくと良いです。4つの資産を1年に1回リバランスしながら長期運用すると以下の図のとおりになります。
長期運用で利益確定する際は、投資のパフォーマンスを安定化させるための再投資も一緒に考えて計画的に行うと良いでしょう。
5.自分年金を自動化させる
老後のための資金を資産運用でコツコツ貯めてきた方は、目標額を達成したとき一括で現金化する人は少ないでしょう。
もし毎月必要な生活費だけ現金化して残ったお金を投資で運用できたら、資金が減るスピードを小さくできます。
資金を減らしたくない、という方は投資信託で運用すると年利6%が期待できるといわれているので、単純計算で資金の4%を毎月取り崩すという方法もあります。
毎月生活費を現金化するのが面倒な方、老後の身体の衰えでしっかり売却の注文を出せるか心配な方は、証券口座によって「投資信託定額売却サービス」があるので利用すると良いでしょう。
投資信託定額売却サービスを利用すると引き落とし日に証券会社が自動的に現金化してくれるので安心です。具体的には以下の図のようなイメージです。
ただし投資信託定額売却サービスがつみたてNISA口座に対応していない証券会社もあるので、2023年からつみたてNISA口座を運用する方は楽天証券を選ぶ方法もあります。2024年にNISAが始まることで、投資信託定額売却サービスを使える会社が今後増える可能性があるので、NISA口座に対応しているか確認しておくと良いでしょう。
つみたてNISAで短期の利益確定はNG!資金を増やすための複利の力とは
つみたてNISAを利用して資金を着実に積み上げていきたい、と考えていている方は短期で利益確定するのはもったいない。ここでは長期投資で重要な「複利」を中心に以下の内容を解説します。
- 複利とは
- 投資信託に10年以上投資を続けると
- つみたてNISAで40万円を一括で12年投資をすると
- 新NISAの年間つみたて投資枠を使って毎年120万円を15年積み立てると
資産形成にはお金に働いてもらう必要があります。この記事を参考に投資について学んでいきましょう。
1.複利とは
長期運用は複利の効果を活かせるメリットがあります。
簡単にいうと、投資で運用した利益を再投資することです。
例えば、投資信託で100万円を年利6%で運用すると、1年後106万円に資金が増えることが期待でき、運用益は6万円です。通常6万円を現金化してから100万円で投資をすると、次の年も106万円となります(単利運用)。
しかし運用益6万円を引き出さないで、106万円を投資すると106×1.06(6%)=約112万円に資金が増えます(複利運用)。単利運用と複利運用のイメージは以下のとおり。
投資金額100万円 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | 4年後 | 5年後 |
---|---|---|---|---|---|
単利運用 | 106万円 | 106万円 | 106万円 | 106万円 | 106万円 |
複利運用 | 106万円 | 約112万円 | 約119万円 | 約126万円 | 約133万円 |
つまり複利運用をすると、投資の運用益がさらにまた利益を生み出していることがわかります。
複利運用は投資期間が長いほど多くのリターンが期待できるので、つみたてNISAで投資を始めるなら長期で運用した方が良いと言えるでしょう。
2.投資信託に10年以上投資を続けると
つみたてNISAで長期運用をすると複利の効果を得られるだけではなく、リスクを抑えながら資産形成できます。以下のように3年、5年、10年と長期投資をした結果、運用期間が長ければ長いほどリスクが低くなる傾向があります。
ただし、どんなにリスクを抑えようと思っても、相場の変動で一時的に含み損を抱えることもあるので注意しましょう。
投資信託で運用すると平均年利6%のリターンが期待できると言われていますが、あくまで「平均」なので年によっては、マイナス10%の年もあれば、プラス15%の年もあったりします。
しかし、つみたてNISAを利用する方は投資額を毎月積み立てているはずなので、価格が低いときや高いときに一定額投資信託を買い続けると、平均購入単価を抑える効果が期待できます。つみたてNISAを利用するときは、複利効果を得ながらリスクを抑えやすい投資信託で運用していきましょう。
3.つみたてNISAで40万円を一括で12年投資をすると
2023年からつみたてNISAを始めた方が40万円を一括で投資した場合、どのくらいの期間で元本が倍になるでしょうか?年利6%でシミュレーションすると以下とおりになりました。
つみたてNISA年間投資限度額の40万円を一括で投資して6%複利で運用できた場合、12年後80万円に資金が増えるでしょう。
新NISAを始める前に、少額から投資をスタートしたい方は一度シミュレーションツールで試算してみると良いでしょう。
4.新NISAを使って毎年120万円を15年積み立てると
2024年から始まる新NISAのつみたて年間投資枠を使って毎年120万円を積み立てながら、最大非課税投資枠1,800万円になるまで15年間、年利6%でシミュレーションするどうなるでしょうか?試算結果は以下のとおりです。
15年後2,883万円になる試算結果になりました。年数をかけるほど、複利の赤線が右肩上がりになっているのが分かりますか?複利は時間が経てば経つほど、その効果が大きくなるからです。余裕資金のある方は、長期間で複利の力を使うと資金を増やしやすくなります。
2024年から始まる新NISAで投資計画を立てたい方は、ぜひシミュレーションツールで計算してみましょう。
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